鋼は、その成分と処理方法によって多様な種類に分類されます。以下に主な鋼の種類とその特性を説明します。
1. 炭素鋼(カーボンスチール)
普通鋼: 炭素量が少なく(0.25%未満)、良好な成形性と溶接性を持ちます。
高炭素鋼: 炭素量が多い(0.6%以上)、硬くて耐摩耗性が高いですが、加工が難しくなります。
2. 合金鋼
低合金鋼: 少量の合金元素(クロム、ニッケル、モリブデンなど)を添加して特定の性質を改善します。
高合金鋼: 大量の合金元素を含み、特にステンレス鋼がこのカテゴリに含まれます。
3. ステンレス鋼
オーステナイト系: 非磁性で、優れた耐食性と成形性を持ちます(例: 304, 316)。
フェライト系: 磁性があり、耐食性が高いがオーステナイト系よりは劣ります(例: 430)。
マルテンサイト系: 硬くて磁性を持ち、耐摩耗性に優れていますが、耐食性は低い(例: 410, 420)。
デュプレックス: オーステナイトとフェライトの特性を併せ持ち、強度と耐食性が非常に高いです。
4. 工具鋼
高い硬度と耐熱性を持ち、切削工具や型などに使用されます。
5. 高速度鋼(HSS)
工具鋼の一種で、非常に高い硬度と耐熱性を持ち、高速での切削作業に適しています。
6. 電磁鋼
電気モーターやトランスフォーマーなど、磁気特性が重要な用途に使用されます。
これらは鋼の主要なカテゴリであり、各カテゴリにはさらに多くのサブタイプが存在し、それぞれが特定の用途に適した特性を持っています。