アルミニウムは錆びにくい金属として知られていますが、完全に錆びないわけではありません。アルミニウムの「錆」は、一般的な鉄の錆とは異なり、アルミニウム表面に形成される酸化層によって内部の金属が保護されるため、腐食が進行しにくい特性を持っています。これを「受動化」と呼びます。
アルミニウムの腐食の種類
一般腐食: 表面全体が均等に腐食する現象で、進行は遅く、通常は表面の変色や白い粉末状の酸化物の形成が見られます。
孔食(ピッティング): 特定の小さな部分に集中して発生する腐食で、小さな穴が形成されることが特徴です。これは塩分が多い環境でよく見られます。
隙間腐食: 二つの異なる金属が接触している部分や、密閉された隙間で水分が留まることで発生します。
応力腐食割れ: 材料が応力と腐食性環境の両方にさらされた時に発生する、亀裂が入るタイプの腐食です。
アルミニウムの腐食防止策
適切な合金の選択: 使用環境に合わせた耐腐食性の高いアルミニウム合金を選択します。
表面処理: アルマイト処理や塗装、めっきなどの表面処理により、腐食を防ぎます。
設計の工夫: 水が溜まりにくい設計、異種金属の接触を避ける設計などが重要です。
定期的な清掃とメンテナンス: 塩分や汚れを定期的に洗い流し、腐食の初期段階で対処します。
アルミニウムは適切に管理すれば、その耐久性と美観を長期間保つことができます。特に、腐食に対する理解と予防策を講じることが、アルミニウム製品の寿命を延ばす鍵となります。
